現物分割とは

1つの共有物を物理的に分割するケース
例1 AB2人の共有地(持分各2分の1)を等価となるよう分筆して単独所有とする。

1つの共有物を物理的に分割し過不足を金銭で調整するケース(一部価格賠償)
例2 AB2人の共有地(持分各2分の1)を分筆して、持分の価値を超えて取得した共有者が他の共有者に価値の差額分を金銭で支払う。

参考判例
一部価格賠償について最大判昭和62.4.22判時1227・21
複数の一団の共有物を一括して分割し過不足を金銭で調整するケース(一部価格賠償)
例3 AB2人の共有地2筆が隣接しており、いずれも持分2分の1である場合、共有地を単独所有として、持分の価値を超えて取得した共有者が他の共有者に価値の差額分を金銭で支払う。

参考判例
複数の共有物の一括分割について最判昭和45.11.6判時612・54
一部価格賠償について最大判昭和62.4.22判時1227・21
数か所に分かれている複数の共有物を一括して分割し、過不足を金銭で調整するケース(一部価格賠償)
例4 ABC3人の共有地3筆が点在しており、いずれも持分3分の1である場合、共有地を単独所有として、持分の価値を超えて取得した共有者が他の共有者に価値の差額分を金銭で支払う。

参考判例
分かれて存在する複数の共有物の一括分割および一部価格賠償について
最大判昭和62.4.22判時1227・21
共有物分割を求めた側の共有状態だけが解消されるケース(一部現物分割)
例5 ABCDEFGHIJ10人の共有地(持分均等)について、ABが共有物分割訴訟を提起して、ABの持分の限度で分割し、CDEFGHIJは共有のままとする。

参考判例
分割請求の請求側の持分の限度の一部分割を許容した点について
最大判昭和62.4.22判時1227・2
共有物分割を求められた側の共有状態だけが解消されるケース(一部現物分割)
例6 ABCDE5人の共有地について、ABCが共有物分割訴訟を提起して、ABCは共有のままDEは単独所有とする。

参考判例
分割請求の相手方の持分の限度の一部分割を許容した点について
最判平成4.1.24判時1424・54
*いずれの事例もわかりやすくするために設定した架空のケースであり、共有物はいずれのケースも不動産とし、図は模式的に表現したイメージです
執筆者等

- 吉藤真一郎
- 弁護士
- 共有物分割請求、借地非訟などの不動産案件、相続案件などを多く取り扱っている。

- 幡田宏樹
- 弁護士・公認会計士
- 企業法務、同族会社(非上場会社)に関する問題、共有不動産に関する案件に取り組む。