共有者に対する明渡請求の可否
私は、兄と2分の1ずつの割合で土地・建物を共有しています。兄に対して、建物から退去するように求めることはできるのですか。
共有持ち分を有している場合、共有持ち分の権利は共有物全体に及ぶため、土地・建物全体を利用することができます。
ただし、土地・建物の全体を利用することは、他の共有者の持ち分を侵害することになるため、原則として、自己の持ち分を超える使用については対価を支払う必要があります。他方で、例外的に、他の共有者に対して長年使用の対価を支払うことなく単独で土地・建物の利用を行い他の共有者もこれを明示又は黙示的に承諾していた場合には、使用の対価を支払う必要はありません。
執筆者等
- 吉藤真一郎
- 弁護士
- 共有物分割請求、借地非訟などの不動産案件、相続案件などを多く取り扱っている。
- 幡田宏樹
- 弁護士・公認会計士
- 企業法務、同族会社(非上場会社)に関する問題、共有不動産に関する案件に取り組む。