他の共有持分者に共有持分を売却した事例(土地のみ共有)
事案の概要
Aさんは、親族であるBさんと土地(関東)を共有し、Bさんが土地上の建物(築30年以上)を単独所有して居住しておりました。Aさんとしては、このまま共有持ち分をもっていてもメリットがないため共有関係の解消を希望しておりました。
解決までの流れ
Aさんからの委任を受け、共有物分割訴訟を提起し競売の判決を求めたところ、Bさんは当初現物分割等を希望しておりましたが、最終的にはAさんの共有持ち分を買い取りたい旨の意向を示しました。この場合、持ち分の買取価格が争点となります。
本件の場合も持ち分の買取価格について、なかなか折り合いが付きませんでしたが、様々な資料のやり取りを行い最終的には合意に至り、裁判所による鑑定を経ることなく和解が成立しました。訴訟提起から和解成立までの期間は約7か月でした。
コメント
共有物をめぐる紛争の多くは、親族で不動産を共有しているケースが多いです。親族間の問題で弁護士を利用することについて一般的には消極的になりがちですが、最終的には弁護士に依頼したほうが早く解決できることを実感した事例でした。
※一部、実際の事例を加工してあります。
執筆者等
- 吉藤真一郎
- 弁護士
- 共有物分割請求、借地非訟などの不動産案件、相続案件などを多く取り扱っている。
- 幡田宏樹
- 弁護士・公認会計士
- 企業法務、同族会社(非上場会社)に関する問題、共有不動産に関する案件に取り組む。